看護師の前残業って何??
勤務時間前に仕事をすること。
私の新人ナース時代は、前残業2時間なんてこともありました…。
もちろん無給で!ですが、今では前残業が5~10分程度に変わり、ストレスもだいぶ減りました!
看護師の「時間外労働」は日労連の調査(参考:2017年 医労連:看護職員の労働実態調査結果報告)によると…
「日勤」就業時間前:「30分以上」が53.2%と
かなり多い現状があります。
結論からお伝えすると
結論:
①前残業時間の短縮:情報収集のコツを身につける
②大幅削減:思い切って転職
です!
- 看護師の前残業に悩んでいる全ての人
- 看護師の前残業の実態を知りたい人
看護師の前残業とは
看護師の「時間外労働」は日労連の調査(参考:2017年 医労連:看護職員の労働実態調査結果報告)によると…
時間外労働(日勤)
始業時間「前」 の就労つまり、「前残業」の実態はこのような結果が出ています。
時間外労働「就業前」 | 「30分」以上 |
---|---|
日勤 | 53.2% |
準夜勤 | 60.4% |
深夜勤 | 54.7% |
2交代夜勤 | 58.5% |
このように、どの勤務帯も30分以上の前残業をしている人が50~60%いることが分かります。
看護師のサービス残業の実態がよく分かる結果…。
前残業の種類は主に3つ
- 患者さんの情報収集
- 点滴や物品準備
- 早く来なければいけない風土・職場環境
③は例外ですが、稀にあります。
このように、無言の圧力で前残業をせざるを得ない職場は、職場環境に大きな問題があります。
ストレスを抱えてまで、働く必要はありません。
自分自身のために、転職も検討しましょう。
前残業はなぜ多いのか?
前残業が多くなってしまう原因は大きく分けて、以下の3つが挙げられます。
若手ナースだから
若手ナースの残業が多い実態は、下記表を見てください。
日勤就業時間「前」の時間外「60分以上」
年齢 | 前残業「60分以上」 |
---|---|
20~24歳 | 18.8% |
25~29歳 | 10.4% |
30~34歳 | 7.1% |
35~39歳 | 6.4% |
40~49歳 | 6.5% |
このように、圧倒的に新人ナースの前残業が多いことが分かります。
正直、右も左も分からない新人時代は、前残業が多くなってしまうことは多少は仕方ありません。
なぜなら…
情報収集に時間がかかる
以下の理由から、新人ナースから2年目あたりまでは時間がかかってしまいます。
- カルテの使い方が分からない
- 必要な情報が分からない
- 無駄な情報を取ってしまう
- 略語が分からない
しかし、情報が取れていない、患者の理解が不十分では、きちんと受け持つことができません。
新人看護師は是非この記事も読んでください
命を預かる仕事である以上、新人時代の前残業は仕方ない現状があります。
ストレスで自分がダメになってしまいそうなサインを感じたら…
無理をすることはやめましょう!!休職・部署異動・転職という自分を守る方法もあります。
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性格の問題
前残業が多くなる理由一つに、性格が関係しています。
例えば、下記のような性格の方です。
- 心配性
- 完璧主義
- 真面目
これらの性格の方は、比較的情報収集に時間がかかります。しかし、これが決して悪い訳ではありません。むしろ、正義感と責任感を持ちながら、プロフェッショナルとしての業務を遂行しようとする証。
情報が十分に取れていないと、不安・心配になってしまう私は、1~2時間前に出勤することもありました。
職場の雰囲気
決まりが定められている訳ではないとしても…
「先輩の目が気になってしまう」
「新人は早めに来なければいけない」
「先輩より遅く出勤してはいけない」
このような、悪い暗黙のルールがある職場も実際存在します。
前残業の短縮技「情報収集のコツ」
前残業が「準備業務」「職場の雰囲気」の場合は別になりますが…
「情報収集」による前残業であれば、コツをつかめば時間短縮は可能です。
優先順位を考える
良く言われることですが、優先順位を考えながら情報を取ることは大切。
優先順位って言っても、何が優先度の高いものか分からないよ…。
具体的に紹介していくね!
優先度の高さによる具体例
これは、あくまで一つの例になりますが…
要するに、
優先度が高い:①命に関わること ②変化がある情報
優先度が低い:①変化の少ない情報
なので、例えば全員分の便の状態の情報を拾う必要なんてありません。
新人時代は、「何が重要なのか」「何が必要なのか」わからないと思います。
しかし、上記2点の①命に関わること②変化のあることが優先度が高いと念頭に入れておくだけでも、情報収集は格段に変わります。
優先順位を考えながら、情報収集し、無駄な時間を削減しましょう。
時間でやるべき業務をチェック
のことです。
例えば、このような仕事があります。
- 点滴投与・点滴更新
- 血糖測定
- 食前薬、時間薬
- 決められた時間の貼付薬
- (延食、禁食の有無)
上記のような、時間が遅れてはいけないケアは患者さんへの不利益に繋がるので、もれなく情報を取る必要があります。
しかし、忙しく業務をしていると、時間でやるべき業務を忘れてしまうことも…
そんな時は
- ワークシートの活用
- 手作りタイムスケジュールの作成
がオススメです。
ワークシートを活用する
要するに、ワークシートは「その日の自分の仕事スケジュール表」になります。
ワークシートの種類は主に2つ
- 手書き・自作のもの
- パソコンから患者情報を印刷できるもの
があります。
それぞれの特徴をご紹介していきます。
手書き・自作ワークシート
自分で書くタイプのワークシートです。
私(内科看護師)のワークシートの書き方。
— りっか (@Rikka_Ns) May 4, 2021
1枚目:朝情報取り終わった時の状態
2枚目:↑について青字で補足説明
3枚目:送り前の状態。色ペンで色々メモした後
実施した処置のチェック、症状やVSはすぐに色ペンで記入。Dr.とのやり取りもメモ。送りをするときは赤字の部分+αを伝えてます。 pic.twitter.com/pCg4yUeKGd
時間で、患者さん毎にやることを記入します。
自己流のワークシートスタイルを確立できれば、最強です!
看護師経験10年の私も
手書きのタイムスケジュールは今でも活用しています。
以下が、メリット・デメリットです。
少し手間ではありますが、患者さんが多くても、時間でやるべき業務の漏れを減らすことができます。
日々の仕事の中で、改善・修正しながら、自分スタイルの手書きワークシートを作りましょう。
初めのうちは、ワークシートの書き方も良く分からないと思います。
そんな時→申し送り時に先輩のワークシートをチラ見しながら、上手な書き方は吸収しちゃいましょう♪
パソコンから印刷する患者ワークシート
電子カルテの職場であれば、患者さんのワークシートを印刷できるところが多いです。
印刷は楽ですが、このようにデメリットも多いです。
情報が乱雑になることは、ミスに繋がり兼ねません。
対策としては
- 印刷は重症患者や変化のあった患者のみにする
- 大切なところには、マーカーを引いたり、印を付けて目立たせる
- 自作ワークシートのサブとして活用する
これらの対策でミスは軽減できます。
どちらを活用するにせよ、
「ワークシートのMYルール」を確立させましょう。
医師の最新カルテをチェック
医師の最新カルテは、患者さんの今を一番にあらわしている、最重要情報です!
安定しているのか、変化があるのか、治療が変わったのか…
答えは医師カルテに全て記載されています。
けど、医師のカルテは略語も多いし、医師カルテはアラビア語みたいで読めないんじゃないかな…
電子カルテを導入している病院が大半なので、安心してください。
医師が使う略語は、最初は調べることが面倒。でも、だいたい使う略語も先生毎に同じようなものを使ったり、カルテの書き方も決まってくるよ。初めのうちは、調べることをオススメします。
前残業を大幅にカットする方法
転職・部署異動をする
結論:転職・部署異動を希望するしかありません。
個人の力で、病院の風土やシステム、情報収集能力を大幅に改善することは正直不可能。
実際に私が大幅に前残業時間をどの程度削減したか
私がいた病棟は
「大学病院:循環器内科・心臓血管外科病棟」でした。
OPE後患者、急変、緊急入院、心リハ、心カテ…とバリバリの急性期病棟でした。
循環器の仕事に関して詳しく知りたい方はこちら
その頃の「前残業」
内容は主に患者さんの情報収集です。
1~2年目受け持ち:1時間半~2時間
5年目受け持ち:30~45分
5年目リーダー:1時間前
状態が変わりやすい急性期だと、新人にもなると知識もないので、
このくらい前に出勤しなくては、情報収集が追いつきませんでした。
部署異動ではないのですが…
私の場合、同じ病院の「循環器外来」で勤務することがありました。
外来の「前残業」:0分
→患者さんに会ってからの問診業務がメインとなるため、基本患者さんの情報収集をすることはほとんどありません。
また、転職では
医療療養型病院の「前残業」:5~10分
→慢性期のため、基本患者さんの状態の変化・入れ替わりは少ないです。そのため、いつも受け持っている患者さんが多く、情報収集のメインは新規患者または、状態変化があった患者さん程度。
訪問看護の「前残業」:5~10分
→私の訪問看護ステーションの訪問件数は1日に5件程度です。
基本、訪問先の患者さんの情報は病院と違ってあまり多くありません。
毎日検査したり、支持がコロコロ変わるわけでもないため、実際の患者さんと出会って情報を得ることも多い。そのため、訪問前の少しの時間で、患者さんの情報はおおよそ取れます。
このように、職場によっては「前残業」を大幅カットも可能です。
また、単発バイトも「前残業」は比較的少ないです。
残業に悩む人は、
残業時間に悩んでいる、残業時間がストレスで仕方ない!という人は、
一度、転職や部署異動も検討してみましょう。
まとめ
今回の内容はこちら!
- 前残業とは
- 前残業は何が多いのか?
- 前残業の短縮技「情報収集のコツ」
- 前残業を大幅にカットする方法
です。
結論はこちら♪
結論:
①前残業時間の短縮:情報収集のコツを身につける
②大幅削減:思い切って転職
看護師の「前残業」に悩む人は多い現状は、改善ができます。
工夫しながら、ストレスレスに働きましょう。
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